コンタクトレンズ着用による、眼障害のリスクを知る(3)。
コンタクトレンズ着用による、眼障害のリスクを知る(2)。では、「角膜上皮障害」と「角膜内皮障害」を中心に説明しましたが、ここではコンタクトレンズ着用に関わるその他の眼障害について、お話します。
・結膜炎
結膜は、まぶたを軽くめくったとき、まぶたと眼球との間に見られる、少し赤みがかった膜のことです。
コンタクトレンズの汚れやレンズケース内の細菌汚染、及びレンズケア用品に含まれる薬剤・防腐剤によるアレルギー反応が原因となり、結膜が炎症を起こして充血・目やになどがでる「ウィルス性・アレルギー性結膜炎」や、上まぶたの内側に大きなでこぼこができてかゆくなり、目がゴロゴロする「巨大乳頭結膜炎」などの眼障害があります。
目やにが増えることで、コンタクトレンズ自体も汚れたりくもりやすくなったりします。
専門眼科医の診察にもとづいて、目薬の点眼等による治療を行う必要があります。
なお結膜炎は、コンタクトレンズの使用以外を原因として発症するものもありますので、自分で判断せず、必ず専門眼科医の指示を仰ぐようにしてください。
コンタクトレンズ及びケア製品に関わる結膜炎を日頃から予防するために、レンズケースの洗浄と乾燥、定期交換を行うようにしましょう。
また、コンタクトレンズのすすぎ・保存は水道水や指定外の洗浄液を用いたりせず、必ず指定された専用液を使用しましょう。
・アカントアメーバ角膜炎
水道水には、角膜感染症を引き起こすアカントアメーバという微生物が存在することが知られています。
指定された専用洗浄液を使わず、水道水などでコンタクトレンズの洗浄を続けることでこのアメーバの一種が感染して起こる「アカントアメーバ角膜炎」は、角膜の感染症のなかでは、最も重症です。
眼が強く痛み、白眼が充血、涙もかなり出ます。
また、放置しておくと視力が徐々に低下し、進行すると重度の視力障害になります。
米国疾病対策・予防センターによれば、米国におけるアカントアメーバ角膜炎の発症率は、100万人に対して1~2例とのことであり、頻発する症例ではないものの、重大な結果を引き起こす危険性をもった眼障害と言えます。
上述のとおり、レンズケアには必ず、指定された専用液を使用するようにしましょう。
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