コンタクトレンズと、オルソケラトロジーの関係。
現在、近視がまだ軽めの段階で、視力矯正手術まではしたくない。
ただ、できればコンタクトレンズや眼鏡の着用も避けたい…という方は、保険適応外とはなりますが最近脚光を浴びている「オルソケラトロジー」を、選択肢に加えてみるのもよいでしょう。
オルソケラトロジーは、夜中に専用の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを装用することによって、角膜を正常な形に矯正し、屈折異常を正常化することで裸眼視力を回復させる方法です。
ただし、オルソケラトロジーで有効な近視矯正効果が得られるのは、軽度から中等度までの近視といわれており、強い近視の場合には不適当とされています。
加えて、眼疾患・強い乱視・強いアレルギー等のある方でこの治療が向いていない場合もありますので、治療可能かどうかについては、事前に専門眼科医へ相談されるのがよろしいでしょう。
日中において裸眼ですごせることが、この治療のメリットです。
一方、デメリットとして、視力回復手術とは異なり、レンズの装用を中止すると、およそ2ヶ月もすれば元に戻ってしまうことがあげられます。
逆にいえば、視力回復効果を保持するためには、専用レンズの装用を続ける必要があるわけです。
視力回復の度合いは人によって異なりますが、一般的には、0.1の視力なら、最大1.0程度までの視力回復が、期待できるようです。
視力矯正効果を有効に得るためには、装用時間とスケジュールを守ること、定期検診を受けること等において、専門眼科医の指示を守る必要があります。
なお費用的には、オルソケラトロジーにおいては保険は適応されず、全額自己負担となります。
片眼につき10~15万円程度が相場とされているようです。
オルソケラトロジーに使用するレンズは、特殊な形状の、酸素透過性に優れたハードコンタクトレンズで、角膜に対するストレスは非常に少ないとされています。
しかしながら、コンタクトレンズである以上、コンタクトレンズ着用による眼障害のリスクが、同様に存在することには注意しましょう。
(コンタクトレンズ着用による、眼障害のリスクを知る(1)-(3)も、あわせてご参照ください)
オルソケラトロジーの治療に使用するレンズは、現段階では、厚生労働省の医療用具としての承認を受けていません。
したがって、通常のコンタクトレンズのように、販売店で購入することは出来ません。
厚生労働省の承認を得ていないという意味で、まだ安全性が確立されたとまでは言えない状況となっています。
近視の進行を抑制する効果についても、現段階で医学的根拠が確定した段階にまでは至っていません。
日本では、眼科医や医療機関の裁量権により、海外からオルソケラトロジー用のレンズを輸入し、処方が行われている状況です。
非眼科医による誤ったオルソケラトロジーの処方などの問題も、これまでメディアで報じられたこともあります。
治療する場合は専門眼科医の選択も慎重に行ったうえで、ご自身にとってオルソケラトロジー治療が問題がないかどうかを、相談のうえ事前に確認されるのがよろしいでしょう。
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