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カラーコンタクトレンズ、装用とそのリスク(1)。
カラーコンタクトレンズには、
・よくネットの通販で見かける、目の色彩部分の色を変え、オシャレとして楽しむための「雑貨品」としての、カラーコンタクトレンズ、
・人の生命や健康に重大な影響を与える医療機器として分類される「高度管理医療機器」である、カラーコンタクトレンズ、
の二種類があります。
(ちなみに、2005年4月の薬事法改正から、通常のコンタクトレンズは「高度管理医療機器」となっています。)
色々と問題があると言われるのは、前者のファッション・おしゃれとして楽しむカラーコンタクトレンズの方ですので、こちらを中心に説明します。
まず、雑貨品に分類されるカラーコンタクトレンズは薬事法の範囲外で、厚労省には取り締まる権限がないため、その販売については規制のない状態となっているのが現実です。
ネットで検索すると、海外の輸入代行による販売もかなり多いですね。
さて、2006年2月に国民生活センターが発表した「おしゃれ用カラーコンタクトレンズの安全性」に関する調査があります。
この調査によると、調査対象10銘柄のうち2銘柄が、眼粘膜刺激が起こり得る細胞毒性を持ち、また4銘柄はカラーコンタクトレンズの色素が流出することにより使用者に軽度の眼障害が生じる場合があるという、なんともコワい結果がでています。
仮想店舗である「インターネット通販」によって、普通のコンタクトレンズと並んでカラーコンタクトレンズが売られるケースが、ごく普通のことになってきているのは、ご存知のとおりです。
もっとも、かたや薬事法の規制対象、かたや規制対象外ということで、消費者の側にとってその区別がしづらい状況が続いていることには変わりはありません。
普通のコンタクトレンズとカラーコンタクトレンズを並べて売られ、またどちらも医師の診察をスキップして購入することができることから、カラーコンタクトレンズの着用による眼障害の危険を防ぐことについては、完全に消費者の判断の有無にゆだねられているのが現状です。
では、カラーコンタクトレンズは、絶対に装用するべきではないのか?
これについては、カラーコンタクトレンズ、装用とそのリスク(2)。をご覧ください。
カラーコンタクトレンズ、装用とそのリスク(2)。
それではカラーコンタクトレンズは、絶対に着用すべきではないのか?
「眼の健康」という一点からだけで述べるなら、装用しないほうが眼障害のリスクを減らすということは言えると思います。
カラーコンタクトレンズの装用を積極的に薦める眼科医が存在しないことからも、それを推し量ることができるでしょう。
しかしながら、カラーコンタクトレンズで瞳をきれいにみせたい、オシャレをしたいという心理は十分理解できますし、使ってはならないということを言いたいわけではありません。
肌に悪いから化粧をするな、紫外線が心配だから夏に海にいくな、というようなもので、現代社会に生きる以上、最低限度のリスクは引き受けざるをえず、対処ができるように知識を得たうえで、リスクをコントロールする方向で考えることこそ、むしろ現実的ではないかと思います。
また、付け加えるならば、「カラーコンタクトレンズはダメだが、コンタクトレンズは大丈夫」という結論にもなりませんので、そこは間違えないようにしておきたいものです。
コンタクトレンズにおいても、消毒等手入れが不十分なままで長期装用を続け、角膜障害を起こしている症例なども、数え切れないくらい多く存在します。
どちらも角膜に直接触れるものである以上、炎症など眼障害のリスクがあることは、いわば当然に予期されることなのです。
これを防ぐためには、装用時間を守ること、洗浄や消毒などの手入れをきちんと行うこと、また定期的に眼科医の検診を受けることなどが必要になってくる点でも、共通しています。
ただしカラーコンタクトレンズは、はっきりとおしゃれ目的に限定して、通常のコンタクトレンズよりもずっと短時間の装用にとどめるべきです。
また、格安だからというだけで、安易に飛びつくことも危険です。
販売者についても、購入前によく比較調査をし、疑問点を確かめたうえで購入する程度の用心深さは必要です。
さらに購入後は、カラーコンタクトレンズの装用期限は厳守すること。
一般にカラーコンタクトレンズは、通常のコンタクトレンズよりも装用期限(寿命)が短めに設定されています。
オシャレ目的に限定するときは、勤務時間中ずっととか、夜間の車の運転時にも装着したままといった、日常生活にずれ込むかたちでの使い方は避けること。
そして面倒くさがらずに、眼科医の定期健診を受けるようにすること。
カラーコンタクトレンズの購入と装用については、以上をきちんと守って行うことが大事です。
カラーコンタクトレンズの販売業者が、あなたの眼の健康について責任をもってくれるわけではありません。
すべてはあなた自身の、眼の健康のためなのですから。